アルジャーノンに花束を

この作品は過去に映画化され、また日本でも何度かドラマ化されているので、題名だけでも知っている方も多い小説です。
内容は知的障害者の男性が、ある出会いを切っ掛けに特別な手術を受けて天才的な知能を身に付けていくという物語。
主人公は一般常識から始まり、人との関わり方、そして教養を身に付けていくのですが、それまで友人と思っていた人々が、実は悪意を持って差別的な行いをされていた事に気付いたりと、何とも悲劇的。
やがて天才的な知能を身に付けると、自分がモルモットとして扱われていると思い始めてしまいます。
最終的には、手術の効果は一時的なもので段々と手に入れた知識が失われてしまい、それまでの日常に戻っていくのですが、主人公にとってそれが不幸なのか、それとも幸せなのか考えさせられる結末となります。
さてこの作品ですが、前述の通り映像化されてはいますが、是非とも小説を読んでいただきたい作品です。
この作品の何が秀逸かと言えば、一人称で書かれる文章の書き方。
私は日本語版しか読めませんが、冒頭の主人公が知的障害者の時は平仮名で書かれ、誤字脱字だらけでとても読み難い。
しかし手術を受けた後は、文章が徐々に知的になり、天才的な知能を身に付けたところでは、逆に読者が付いていけない位の難解な言葉や専門用語のオンパレード。
そして物語が終盤に差し掛かって、元の様な文章に戻っていきます。
言うなれば『文章を見せる』作品です。
内容は勿論ですが、そういった部分も合わせて是非とも読んでいただきたい作品です。

アルジャーノンに花束を